はじめに(結論)
結論から言うと、
マイクロ法人の役員報酬は「できるだけ低くすればいい」わけではありません。
確かに、役員報酬を下げれば
- 社会保険料
- 所得税・住民税
は抑えられます。
しかし下げすぎると、
- 生活が苦しくなる
- 税務上の不自然さが出る
- 将来の年金が極端に少なくなる
など、別の問題が発生します。
この記事では、
- 役員報酬を決めるときの考え方
- よくある失敗例
- 現実的な設計の目安
を整理して解説します。
なぜ役員報酬が重要なのか
マイクロ法人では、役員報酬が
- 社会保険料
- 所得税・住民税
- 将来の年金額
すべての基準になります。
つまり、
役員報酬=負担額を決める「レバー」 です。
よくある誤解:役員報酬は最低でいい
ネットでは、
「役員報酬は月5万円にすれば最強」
といった情報も見かけます。
しかし、この考え方は かなり危険 です。
役員報酬を下げすぎると起こる問題
問題① 生活費が足りなくなる
役員報酬が低すぎると、
- 生活費を法人から借りる
- 立替金が増える
といった状態になります。
これは、
- 資金繰りが分かりにくい
- 税務上の説明が面倒
というデメリットがあります。
問題② 税務上「不自然」に見える
売上や利益があるのに、
- 役員報酬だけ極端に低い
と、
- なぜその金額なのか
- 実態はどうなっているのか
を説明できないと、
税務調査で突っ込まれやすくなります。
問題③ 将来の年金が少なくなる
役員報酬が低い=
- 厚生年金の基礎が低い
ということです。
短期の節税だけを優先すると、
老後の年金がかなり少なくなる 可能性があります。
現実的な役員報酬の考え方
基本の考え方
役員報酬は、
- 今の生活
- 将来の年金
- 社会保険料の負担
を バランス で決めます。
一般的な目安(あくまで考え方)
※ 地域・家族構成・収入で変わります
- 月8万〜15万円前後
→ 社会保険料を抑えつつ、最低限の生活を確保 - それ以上は、
法人に利益を残す/個人事業で調整
という設計が多いです。
👉 「ゼロに近づける」より「抑えつつ自然」 が重要。
役員報酬は途中で変えられる?
ここも重要なポイントです。
- 原則:事業年度開始時に決める
- 年度途中での変更は原則不可
つまり、
最初の設計がとても重要 です。
だからこそ、
- 自己判断
- ネット情報だけ
で決めるのはリスクが高い。
個人事業との併用が前提
多くのケースでは、
- 個人事業で生活費の一部を確保
- 法人は利益と社会保険設計に使う
という 併用設計 をします。
役員報酬単体で
すべてをまかなう必要はありません。
関連記事(内部リンク想定)
- マイクロ法人はいくらから得になる?
- 国民健康保険と社会保険の違い
- マイクロ法人でよくある失敗例
これらを合わせて読むと、
役員報酬の位置づけが明確になります。
まとめ
- 役員報酬は下げすぎると危険
- 社会保険料だけ見て決めない
- 生活・年金・税務のバランスが重要
- 最初の設計が結果を左右する
自分に合う役員報酬はいくら?
「自分の場合はいくらが適正か?」
これは、
- 今の年収
- 家族構成
- 将来設計
によって全く異なります。
数字を見ずに決めると、
節税のつもりが逆効果 になることもあります。